自己分析は、転職活動の成否をもっとも左右する要(かなめ)です。
「自己分析にSWOT分析が使えるって聞いたけど、そもそもSWOT分析って何?どうやったらいいんだろう?」
そんな疑問を持つ方へ、本記事ではSWOT分析を自己分析に活用する方法を具体例を使って紹介します。
すぐに自己分析を始められるテンプレートも用意していますので、ぜひダウンロードしてやってみてください。
ゆーさん >>詳細プロフィールをみる
- 国家資格:キャリアコンサルタント保有
- 年収+160万の転職実績有り
- 営業歴15年の売込みのプロ
- 転職書籍20冊以上のインプット
- 30以上の自己分析診断ツールを利用
SWOT分析とは?|社会人なら知っておくべき
企業や事業の現状分析を行い、経営やマーケティングの戦略の決定に活用するフレームワーク
- Strength:[強み]自社の持つ強みや長所、得意なこと
- Weakness:[弱み]自社の持つ弱みや短所、苦手なこと
- Opportunity:[機会]社会や市場などの外部環境で自社にプラスに働くこと
- Threat:[脅威]社会や市場などの外部環境で自社にマイナスに働くこと
SWOT分析は企業が自社の現状を整理するために用いるフレームワークの1つです。
自社の持つ「強み」「弱み」と、自社を取り巻く外部環境の「機会」「脅威」を洗い出し、戦略の方向性を決定します。
自分を取り巻く環境を知り、どう行動していくかを決めるために使います!
SWOT分析での自己分析はこんな時に使える
SWOT分析の特徴は、自分の状況について環境との組み合わせで整理できることです。
転職活動やキャリアを見直すタイミングでSWOT分析を自己分析に活用すると、自分を取り巻く環境の中で、自分の強み・弱みをどう活かしていくかの方向性を決めるのに役立ちます。
ここではSWOT分析での自己紹介が使える具体的な場面を3つご紹介します。
具体的なSWOT分析の使い方も後ほど紹介するのでご安心ください
①「志望する業界・職種・企業」で自分をどうアピールしたいかを考える
志望業界・職種・企業などの環境の中で、以下を戦略的に考えることで、面接などの場面で説得力のあるアピールができるようになります。
- 自分の強みをどう活かせるか
- 自分の弱みをカバーするために何をするか
自己PRに説得力が増し、ライバルに差をつけられます!
②社会人が「今の職場」で自分がどう成長したいかを考える
- 今の職場で自分の強みをより発揮するためのキャリアの方向性を考える
- 出世など自分の希望するキャリアプランに向けて、今のうちに克服すべき弱みを発見する
このように、転職活動以外でも自分のキャリアを考えるタイミングで活用することができます。
自分らしいキャリアをデザインするためには、定期的に自分のキャリア戦略を見直す時間を持つことをおすすめします。
③育児・介護などの環境変化にどう対応するかを考える
時短や現場を離れるといった変化のなかで、脅威やピンチをどうカバーするか・どう強みを発揮し続けられるかを考えることで自分らしいキャリアを継続しやすくなります。
変化に流されるのではなく、変化の中でも自分らしい選択をするのに役立ちます!
SWOT分析で自己分析する方法 テンプレートと記入例付きで解説
ここからSWOT分析での自己分析のやり方を具体的に解説していきます。
ぜひこちらのテンプレートをダウンロードして、一緒にやってみましょう!
①S:自分の強みを洗い出す
まずは自分自身の「強み」(Strength)を洗い出します。
自分が活かしたい強みが明確になっていない場合は、できるだけ具体的にたくさん数を出すことが重要です。
SWOT分析を行う前にあらかじめマインドマップで強みを洗い出しておくとよいでしょう。
- これまで経験を積んだ仕事
- 職務実績から身につけたスキル
- 仕事以外での経験・実績
- 得意なこと
- 長所
- 資格・免許
- これまで経験を積んだ仕事
- 部品メーカーの営業/新規事業立ち上げ
- 職務実績から身につけたスキル
- 製品知識/既存顧客・新規顧客との関係構築/提案力・交渉力/イベント運営/セミナー講師/資料作成
- 仕事以外での経験・実績
- 留学経験/大学で数学を専攻/体力/実践空手の有段者
- 得意なこと
- イベント・接待の段取り/伝わりやすい資料の作成
- 長所
- チャレンジ精神/多少のことではへこたれないタフさ/実行スピードの速さ
- 資格・免許
- 運転免許/TOEIC595点/実践空手初段
自分では意外に感じることでも強みとして活かせる場合が多いです!とにかくたくさん書き出してみましょう。
②W:自分の弱みを洗い出す
次に自分の「弱み」(Weakness)を書き出しましょう。
弱みのない人はいません。
人それぞれ個性や特徴があり、弱みは強みの裏返しであることが多いものです。
面接や選考書類では、弱みの裏返しを強みとしてアピールできるものを予め逆算して考えましょう。
- 苦手なこと
- 短所
- 必要だが持っていないスキル・経験
- 苦手なこと
- 正確さが求められる仕事
- 短所
- 精度の甘さ/計画性
- 必要だが持っていないスキル・経験
- IT関連のスキル
③OT:環境の機会・脅威を洗い出す
想定する環境のプラス面(機会)とマイナス面(脅威)をそれぞれ洗い出しましょう。
例えば「育児で働く時間が短くなる」という事実も、捉え方次第でプラスにもマイナスにもなります。
- マイナス(脅威)として捉える:「残業ができない」
- プラス(機会)として捉える:「仕事以外の経験が積める」
就職活動や転職活動の場合は、業界や企業についてしっかり情報収集をして書き出しましょう。
■機会
- その環境の魅力やメリット
■脅威
- その環境のデメリットやリスク
■機会
- その環境の魅力やメリット
- 将来性がある/給与が高い/在宅で働ける
■脅威
- その環境のデメリットやリスク
- 変化に対応し学び続ける必要/教育体制が整っていない/対面でのコミュニケーションが少ない
■機会
- その環境の魅力やメリット
- 社内外の人とのつながり/いろんな人との出会いがある/歩合給のため実績次第で給与UP
■脅威
- その環境のデメリットやリスク
- 営業として数値目標を追い続ける必要がある/子育てと両立しづらい働き方/新しいスキルが身につかない
④クロスSWOT分析:かけ合わせて戦略を考える
「強み」「弱み」「機会」「脅威」の4つを洗い出したら、掛け合わせで戦略の方向性を検討します(クロスSWOT分析)。
SWOT分析で洗い出した内部環境と外部環境の組み合わせで、戦略の方向性を検討する方法
- 強み×機会(積極化戦略):「強み」を活かして、「機会」に対してどう行動するか
- 強み×脅威(差別化戦略):「脅威」に対して、「強み」を使ってどう切り抜けていくか
- 弱み×機会(改善戦略):「機会」を活かすために、弱みを補強したり改善したりする戦略
- 弱み×脅威(防衛・撤退):「脅威」の影響を最小限にとどめるための戦略
SWOT分析で洗い出した要素を眺めながら、4つの方向性で戦略を立ててみましょう。
複数の要素があるため正解はありません。私の場合の記入例を2つ紹介します。
⑤優先順位をつけ戦略を決める
戦略の候補から、実際に何を重視し実行するかを決定します。
とはいえ「放っておくと脅威による悪影響を大きく受けてしまうような弱点」は無視できません。
戦略実行(あるいは不実行)による影響の大きさや緊急度によって優先順位を決めるとよいでしょう。
戦略をいろんな角度から検討することで、自分に有効な打ち手やアピールポイントが見えてきますね!
SWOT分析を自己分析に活用するメリット
SWOT分析は経営の意思決定に使われるフレームワークであり、現状を踏まえた戦略を立てやすいことが特徴です。
自己分析への活用には以下のメリットがあります。
①業界や企業に合わせたアピールポイントを見つけられる
SWOT分析は、内部環境と外部環境の両方に目を向け、かけ合わせができるフレームワークです。
就活や転職活動に活用と、自己分析と業界分析・企業分析を組み合わせて自己PRを組み立てることができます。
また弱みや脅威などマイナス要因にも目を向けるため、「どう克服・カバーするか」を考えて選考に臨むことができます。
弱みは面接でどう答えるか迷うポイントですが、自信を持って答えられるようになります!
②自分のキャリアを戦略的に考えられる
「今後自分のキャリアをどうしていこう」「環境の変化にどう対応していこう」
そういった悩みに対し、漠然と流されるのではなく、多角的に検討することで納得いく決断がしやすくなります。
環境とのかけあわせによって、できること・できないことが明確になり「今やるべきこと」がはっきりしますね。
SWOT分析での自己分析が難しい場合は、プロと相談しよう
SWOT分析での自己分析は、外部環境との組み合わせで戦略的に考えることができるというメリットがあります。
しかし一方で、洗い出した要素をどう組み合わせるか、どのように戦略に優先順位を付けるかなど 一人で考えるのがかなり難しいというのが難点です。
そんなときはプロのキャリアアドバイザーの手助けを借りることをおすすめします!
- 転職エージェント
- 企業から報酬をもらって転職希望者をサポート
- 有料のキャリアコーチング
- 相談者から費用を受け取りキャリアの相談を受ける
自分に合ったキャリア・仕事を考えるという意味では、有料のキャリアコーチングがより有効です!
有料のキャリアコーチングの場合はあなたから報酬を受け取るため、100%あなたの為にアドバイスをしてくれます。
ただし、そんな有料サービスも初回無料でお試しできます。
僕も初回サービスを受けましたが、向いている仕事もアドバイスをもらえて働き方を改善するきっかけになりました。
\初回相談無料/
関連記事 ポジウィルとマジキャリを徹底比較
その他おすすめの自己分析のやり方
もっと簡単に自己分析をしたい方には、まずは無料の診断ツールを活用してみることをおすすめします。
\役に立つ自己分析ツールTOP3/
順位 | |||
ツール | コンピテンシー診断 | 適職診断テスト | キャリア診断 |
診断内容 | 適職・強み 人間関係など | 適職・性格 行動特性など | 適職・強み 想定年収など |
メリット | ストレスなく活躍 できる働き方がわかる | 選考書類が どんどん埋まる | 活躍できる 仕事がわかる |
デメリット | 診断時間約20分 | 診断結果が 9種類 | iOSとAndroidのみ (PCの登録不可) |
登録要否 | 登録要 | 登録要 | 登録要 |
公式HP | 診断する | 診断する | 診断する |
関連記事 | 詳細記事 | 詳細記事 | 詳細記事 |
TOP3はすべておすすめですが、迷ったらボリューム満点のコンピテンシー診断をやってください。
自己分析まにあとして26個の診断をレビューしてます。
関連記事 自己分析診断ツール ランキング26選
\あなたに最適な診断がわかる/
- おすすめの自己分析ツールを診断
- どんな自己分析がしたい?
そのほかにも自己分析まにあでは様々な自己分析方法を解説しています。
関連記事 転職活動でおすすめの自己分析のやり方
無料で手軽にできるものから、自分でとことん考えるものまでいろんな方法があります。
自己分析のやり方に唯一の正解はありません。
自分自身を多角的に知るためにも、ぜひいろんな方法を試してみてくださいね。
SWOT分析での自己分析に関するQ&A
- SWOT分析って何?
-
企業が経営やマーケティングの意思決定に使用するフレームワークの1つです。
Strength(自社の強み)・Weakness(自社の弱み)・Opportunity(機会)・Threat(脅威)の4つに分けて分析するため、それぞれの頭文字をとって「SWOT分析」と呼ばれています。
ゆーさん4つを洗い出した上で、内部環境(S・W)と外部環境(O・T)を掛け合わせる「クロスSWOT分析」を行うのが一般的です。
- SWOT分析での自己分析はどんなときに使える?
-
SWOT分析は自分の状況と環境とをかけ合わせて見ることができるのが特徴です。
具体的な環境を想定してキャリアを考えるときに活用するとよいでしょう。
環境の例- 自分が志望する業界・職種・企業
- 今の職場
- 育児・介護などによる環境変化
- そもそも自分の強み・弱みがわからないけど、どうしたらいい?
-
SWOT分析を行う前にマインドマップでこれまでの経験やスキルを洗い出してみましょう。
参考記事 マインドマップで自己分析
ゆーさん些細なことでもかまわないので思いつく限り書き出すのがポイントです。
- SWOT分析の機会・脅威もどうやって考えたらいいの?
-
ご自身が想定している環境について、情報収集をしてみましょう。
就活・転職活動であれば業界分析・企業分析が必要です。
今の職場のことであれば、ご自身が感じることに加えて、他社など違う環境と比較してどうかを考えてみるとよいでしょう。
ゆーさん何をプラス・マイナスと感じるかは人それぞれ違います。自分の感じ方で大丈夫ですが、「プラス(マイナス)にも捉えられないか?」と逆の視点を検討するのも1つです。
- クロスSWOT分析で戦略を考えるときのコツは?
-
クロスSWOT分析では4つの切り口で要素をかけ合わせていきます。
以下の問いをヒントに考えてみてください。
クロスSWOT分析で戦略を考える際の問い- 強み×機会(積極化戦略):「強み」を活かして「機会」に対してどう行動するか
- 強み×脅威(差別化戦略):「脅威」に対して「強み」を使ってどう切り抜けていくか
- 弱み×機会(改善戦略):「機会」を活かすために、どう「弱み」を改善・補強するか
- 弱み×脅威(防衛・撤退):「脅威」の影響をできるだけ抑えるためには何ができるか
まとめ|SWOT分析で自分のキャリア戦略を立てよう
SWOT分析で自己分析を行うと、環境に対してどう行動するかを戦略的に考えることができます。
一方で手軽とはいえず難しさもあるため、事前にほかの方法で自己分析や企業分析をしておくことをおすすめします。
情報を洗い出した後、整理し意思決定する場面でぜひ役立ててみてください!
コメント