自分の年収は人と比べて多いのか少ないのか、気になったことはありませんか?
日本の平均年収は460万円(国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」より)です。
そこで20代前半~30代後半の平均年収について詳しく調査をおこないました。

最後には年収UPの方法も紹介していますので、ぜひ最後まで読んでください。
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日本の平均年収は?

日本全体の平均年収は460万円です。(国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」より)
男女別では男性の平均年収が569万円、女性は316万円となっています。

平均年齢は47.0歳、平均勤続年数は12.5年となっており、平均給与・手当に対する平均賞与の割合は18.4%でした。
給与階級別分布によると男性は400万円~500万円以下が全体の17.5%、女性では100万円~200万円以下が20.5%で最も多いという結果でした。
年齢別の平均年収:国税庁

国税庁が令和6年9月に発表した令和5年分民間給与実態統計調査の結果報告書によると、年齢別平均年収は下表の通りです。
年齢階級 | 男女計(万円) | 男性(万円) | 女性(万円) |
全体 | 460 | 569 | 316 |
20~24 | 267 | 279 | 253 |
25~29 | 394 | 429 | 353 |
30~34 | 431 | 492 | 345 |
35~39 | 466 | 556 | 336 |
40~44 | 501 | 612 | 343 |
45~49 | 521 | 653 | 343 |
この方法で出した平均年収は、データの中に存在する著しい高所得者もしくは低所得者に引っ張られることがあるため、あくまでも参考程度に留めておきましょう。

男性は年齢が高くなるにつれ平均年収も上がりますが、女性は横ばいもしくは下がっているのがわかりますね。
最も平均年収が高かったのは男性が55~59歳で712万円、女性のピークは25~29歳の353万円でした。
年齢別の平均年収:厚生労働省

厚生労働省が令和6年3月に発表した「令和5年賃金構造基本統計調査」による平均年収は下表のとおりです。
年齢階級 | 男女計(万円) | 男性(万円) | 女性(万円) |
全体 | 507 | 570 | 340 |
20~24 | 335 | 352 | 318 |
25~29 | 414 | 439 | 381 |
30~34 | 463 | 504 | 397 |
35~39 | 512 | 564 | 413 |
40~44 | 548 | 613 | 424 |
45~49 | 575 | 651 | 437 |
厚生労働省の資料は月額賃金で調査を行っているため、年収は下表の黄色い部分「きまって支給する現金給与額」×12か月と「年間賞与その他特別給与額」を足して算出しました。


「きまって支給する現金給与額」の中には残業手当や休日出勤手当が含まれています。
平均年収額が国税庁と厚労省でちがう理由

国税庁と厚生労働省では調査対象が異なります。
- 国税庁
- 民間の源泉徴収義務者に勤務している給与所得者
- 厚生労働省
- 5人以上の民営事業所と10人以上の公営事業所の労働者
調査方法も国税庁と厚生労働省とでは違いがあります。
一方厚生労働省では、郵送やオンラインで回収した調査票を都道府県や産業別に算出した復元倍率を利用し集計した労働者数の加重平均によって賃金等を導き出しています。

調査対象も方法も違うので、それぞれの平均年収額も異なるのですね。
年齢別の平均年収【20~24歳】

ここからは20~24歳の平均年収を業種ごとに詳しく見ていきましょう。

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」のデータをもとに作成しています。
20~24歳 | 男女計(万円) | 男性(万円) | 女性(万円) |
---|---|---|---|
鉱業・採石・砂利採取 | 384 | 388 | 368 |
建設 | 360 | 362 | 345 |
製造 | 340 | 360 | 307 |
電気・ガス・熱供給・水道 | 382 | 389 | 357 |
情報通信 | 344 | 342 | 347 |
運輸・郵便 | 361 | 377 | 322 |
卸売・小売 | 333 | 354 | 310 |
金融・保険 | 342 | 363 | 327 |
不動産・物品賃貸 | 345 | 360 | 330 |
学術研究・専門技術サービス | 355 | 363 | 343 |
宿泊・飲食サービス | 288 | 297 | 282 |
生活関連サービス・娯楽 | 285 | 292 | 282 |
教育・学習支援 | 319 | 331 | 316 |
医療・福祉 | 338 | 340 | 337 |
複合サービス事業 | 309 | 313 | 306 |
他に分類されないサービス | 312 | 328 | 289 |
年齢別平均年収が最も高い業種は?20代前半

- 男性
- 1位:電気・ガス・熱供給・水道 2位:鉱業・採石・砂利採取 3位:運輸・郵便
- 女性
- 1位:鉱業・採石・砂利採取 2位:電気・ガス・熱供給・水道 3位:情報通信
鉱業・採石・砂利採取は生活に必要な資源(石油やガソリンなど)を扱うことや、専門性の高い職業であることから年収が高くなります。

鉱業・採石・砂利採取の平均年収の男女差は20万円で、性差関係なく平均年収が高い業種となっています。
鉱業に次いで平均年収が高かったのは、電気・ガス・熱供給・水道業の382万円でした。
年齢別平均年収の傾向/20代前半

20代前半は性別による平均年収の差はあまり見られず、男女差が最も大きいのは運輸・郵便業(55万円の差)です。
平均年収が300万円を超えなかった業界は、宿泊・飲食サービスと、生活関連サービス・娯楽の2つの業種でした。
年齢別の平均年収【25~29歳】


次は20代後半(25~29歳)の平均年収を業種ごとに見ていきます。
25~29歳 | 男女計(万円) | 男性(万円) | 女性(万円) |
---|---|---|---|
鉱業・採石・砂利採取 | 500 | 496 | 511 |
建設 | 462 | 470 | 429 |
製造 | 406 | 428 | 353 |
電気・ガス・熱供給・水道 | 499 | 503 | 478 |
情報通信 | 451 | 470 | 422 |
運輸業・郵便 | 419 | 436 | 374 |
卸売・小売 | 403 | 431 | 365 |
金融・保険 | 488 | 558 | 432 |
不動産・物品賃貸 | 455 | 481 | 418 |
学術研究・専門技術サービス | 469 | 495 | 428 |
宿泊・飲食サービス | 339 | 355 | 323 |
生活関連サービス・娯楽 | 345 | 361 | 332 |
教育・学習支援 | 392 | 417 | 378 |
医療・福祉 | 407 | 427 | 398 |
複合サービス事業 | 376 | 383 | 365 |
他に分類されないサービス | 374 | 400 | 341 |
年齢別平均年収が最も高い業種は?20代後半

- 男性
- 1位:金融・保険 2位:鉱業・採石・砂利採取 3位:学術研究・専門技術サービス
- 女性
- 1位:鉱業・採石・砂利採取 2位:電気・ガス・熱供給・水道 3位:金融・保険
20代後半(25~29歳)で平均年収が最も高い業種は、男女計で鉱業・採石・砂利採取の500万円でした。

しかし20代後半の男性では金融・保険が最も平均年収が高く、558万円です。
女性は20代前半と変わらず鉱業・採石・砂利採取業界がトップですが、金融・保険業界も432万円と20代前半に比べて1.3倍になっています。
年齢別平均年収の傾向/20代後半

20代前半から最も平均年収が上がった業界は金融・保険で195万円も上がりました。
男女差も徐々に開きつつありますが、鉱業・採石・砂利採取では女性の平均年収の方が男性よりも高くなっています。

同年代でも業種によって平均年収が200万円近く違うことに驚きです。
年齢別の平均年収【30~34歳】


次は30代前半(30~34歳)の平均年収を業種ごとに見ていきます。
30~34歳 | 男女計(万円) | 男性(万円) | 女性(万円) |
---|---|---|---|
鉱業・採石・砂利採取 | 590 | 593 | 575 |
建設 | 524 | 542 | 430 |
製造 | 466 | 498 | 362 |
電気・ガス・熱供給・水道 | 626 | 639 | 544 |
情報通信 | 519 | 548 | 471 |
運輸業・郵便 | 462 | 481 | 391 |
卸売・小売 | 448 | 485 | 389 |
金融・保険 | 605 | 742 | 504 |
不動産・物品賃貸 | 505 | 563 | 415 |
学術研究・専門技術サービス | 551 | 583 | 474 |
宿泊・飲食サービス | 362 | 386 | 329 |
生活関連サービス・娯楽 | 382 | 421 | 333 |
教育・学習支援 | 475 | 527 | 426 |
医療・福祉 | 426 | 469 | 401 |
複合サービス事業 | 411 | 421 | 391 |
他に分類されないサービス | 412 | 460 | 338 |
年齢別平均年収が最も高い業種は?30代前半

- 男性
- 1位:金融・保険 2位:電気・ガス・熱供給 3位:鉱業・採石・砂利採取
- 女性
- 1位:鉱業・採石・砂利採取 2位:電気・ガス・熱供給・水道 3位:金融・保険
30代前半(30~34歳)で平均年収が最も高い業種は、男女計で電気・ガス・熱供給・水道の626万円でした。
20代後半と比べると、電気・ガス・熱供給・水道の平均年収は男性が136万円、女性が66万円上がっています。

女性は20代前半からずっと変わらず鉱業・採石・砂利採取の平均年収が最も高く、男性と大差がありません。
年齢別平均年収の傾向/30代前半

30代前半になってくると勤続年数が長くなり、管理職に就く人も出てくるため平均年収が上がってきます。
半分近い(16業種の内7)業種で平均年収が男性と女性で100万円以上の差があります。

30代前半の男女計で平均年収400万円に届かなかったのは、宿泊・飲食サービスと生活関連サービス・娯楽の2つの業種のみでした。
年齢別の平均年収【35~39歳】


最後に30代後半(35~39歳)の平均年収を業種ごとに見ていきましょう。
35~39歳 | 男女計(万円) | 男性(万円) | 女性(万円) |
---|---|---|---|
鉱業・採石・砂利採取 | 640 | 656 | 541 |
建設 | 566 | 594 | 410 |
製造 | 529 | 567 | 389 |
電気・ガス・熱供給・水道 | 733 | 756 | 608 |
情報通信 | 619 | 653 | 543 |
運輸業・郵便 | 503 | 519 | 403 |
卸売・小売 | 489 | 530 | 394 |
金融・保険 | 697 | 908 | 502 |
不動産・物品賃貸 | 598 | 669 | 466 |
学術研究・専門技術サービス | 640 | 689 | 501 |
宿泊・飲食サービス | 401 | 444 | 338 |
生活関連サービス・娯楽 | 418 | 463 | 351 |
教育・学習支援 | 534 | 604 | 453 |
医療・福祉 | 454 | 516 | 416 |
複合サービス事業 | 472 | 501 | 403 |
他に分類されないサービス | 412 | 489 | 349 |
年齢別平均年収が最も高い業種は?30代後半

- 男性
- 1位:金融・保険 2位:電気・ガス・熱供給・水道 3位:学術研究・専門技術サービス
- 女性
- 1位:電気・ガス・熱供給・水道 2位:情報通信 3位:鉱業・採石・砂利採取
30代後半(35~39歳)で平均年収が最も高い業種は、男女計で電気・ガス・熱供給・水道の733万円でした。
30代後半の女性では電気・ガス・熱供給・水道の平均年収が最も高く608万円です。

電気・ガス・熱供給・水道は人々の生活に欠かせないものを扱っていることや、景気に左右されることがないことから平均年収も高く安定しています。
年齢別平均年収の傾向/30代後半

30代後半になると、業種間でもっとも大きな平均年収の格差は332万円(男女計)になりました。
インフラ業界の電気・ガス・熱供給・水道の平均年収733万円に対し、宿泊・飲食サービスは401万円です。
年収アップを目指すための方法3選

①資格の取得やキャリアアップ

資格手当については就業規則などに記載されているので、一度確認してみてください。

資格取得については補助制度がある会社も!ぜひ活用しましょう。
年収アップを目指すなら成果を上げ、昇進・昇給を目指して努力することも必要です。
②転職


年収アップのための転職といっても本当に年収が上がるのか、未経験の業界や職種に就けるのかなど不安はあります。
基本的には自分に合う業界を選ぶことが大切ですが、年収アップを狙うなら年収水準が高い業界を選びましょう。
関連記事 転職活動のやり方ガイドl初めてでもわかりやすい進め方と失敗しないためのポイント
関連記事 転職しないほうがいい業界20選l年収や離職率で業界別に徹底評価
③副業

働き方改革で副業・兼業が促進されるようになり、厚生労働省では労働者の多様なキャリア形成を促進することを目的にさらなる副業・兼業を推奨しています。
- 【労働者】にとってのメリット
- 本業とは別のスキルや経験を得ることができ、労働者が主体的にキャリアを形成することができる
- 本業の所得を活かしてやりたいことに挑戦することで自己実現を追求できる
- 収入を増やせる
- 低リスク(本業を続けたまま)で将来の企業・転職に向けた準備・試行ができる
- 【企業】にとってのメリット
- 労働者が自社で得られない知識・スキルを得ることができる
- 労働者の自立性・自主性を促すことができる
- 優秀な人材の獲得・流出の防止ができ、競争力が向上する
- 社外から新たな知識・情報・人脈を入れることで事業機会の拡大につながる
労働者にも企業にもメリットがあることはわかりましたが、労働者の健康管理や秘密保持義務など注意が必要な面もあります。

副業をする場合は届け出が必要な企業もあるので、就業規則などで副業・兼業に関するルールをきちんと確認しておきましょう。
迷ったときはキャリアコーチングを受けるのもあり!

自分に合った年収アップの方法が分からないときは、プロの第3者の力を借りることをおすすめします。
プロにキャリアの相談をできるサービスは大きく2種類あります。
- 転職エージェント
- 企業から報酬をもらって転職希望者をサポート
- 有料のキャリアコーチング
- 相談者から費用を受け取りキャリアの相談を受ける

やりたいことが明確になっていないときは、じっくり話を聞いてもらえるキャリアコーチングがおすすめです。


転職エージェントは無料で相談に乗ってもらえますが、企業に報酬をもらっているため転職先の紹介が中心です。
一方で、有料のキャリアコーチングの場合はあなたから報酬を受け取るため、100%あなたの為のアドバイスがもらえます。
「やりたいことがわからない」という漠然とした悩みにも一緒に向き合ってもらえるのでおすすめです。

問題は最低でも25万円ほどという非常に高額なところです。
ただし、そんな有料サービスも初回無料でお試しできます。
関連記事 ポジウィルとマジキャリを徹底比較
年齢別平均年収のよくある質問

- 平均年収額から実際の手取り額を計算する方法は?
-
年収は1年間で勤務先から支給された総支給額のことで社会保険料や所得税、住民税などが含まれています。
maya
実際に手元に入ってくるお金は年収の8割程度と考えておきましょう。
- 自分の市場価値を簡単に知る方法はありますか?
-
自分の市場価値を調べる方法は3つあります。
自分の市場価値を診断する方法3つ- 自己分析ツールで市場価値を診断
- 転職エージェントと面談して市場価値を診断
- キャリアコーチングで市場価値を診断
①無料で利用できる自己分析ツールには、ミイダスの市場価値診断とdodaの年収査定の2つがあります。
②転職エージェントに登録すれば、紹介してもらえる求人情報からあなたの適正年収を知ることができます。
③市場価値だけでなくキャリア設計までしっかり固めたい人には、キャリアコーチングサービスがピッタリです。
maya
他には転職サイトに登録して、あなたに届くスカウトから市場価値を知る方法もありますよ。
まとめl年齢別平均年収を参考にキャリアアップを目指そう!

国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」では、日本全体の平均年収が460万円となっています。
他にも働く地域や事業所の規模、学歴によっても年収は変化します。

ぜひこれからの人生設計やキャリアプランを築く上で参考にしてみてください。
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